NURBSモデリング: solidThinkingの基本


solidThinking自動車や電気製品など工業製品のモデリングに威力を発揮します。以下に私なりにそのよさをまとめてみました。

「思い通りにカタチを創る!」

・強力で自由度が高いモデリングツール群
 ・豊富なサーフェス、トリム、インターセクト、エッジの抽出・・・
 ・ソフトのクセにユーザーが妥協しなければならない回数が非常に少ない

・コンストラクション・ヒストリー
 ・カーブの変更 → サーフェス形状、トリムなどに反映
 ・カタチとの対話:トライ&エラーのやりやすさ

・強力なブラウザ機能
 ・モデリング履歴:時系列に束縛されないアンドゥ
 ・オブジェクトのグループ・レイヤー管理(グループとレイヤーは独立)

・洗練された理解しやすいインターフェイス
 ・直感的に理解、マニュアル要らずで速習が可能!

すでにあるカタチを作る場合にももちろんですが、自分で考えた形を少しずつ理想に近づけながら創り出していくような場合にさらに力を発揮するツールだと思います。

以下に紹介するのはsolidThinkingの基本であると同時に、標準的な工業デザインモデリングの基礎でもあります。

library の「solidThinking basic」から「lines only」をダウンロードします。zip圧縮されているので解凍ツールで展開します。solidThinkingで開くと図のようになります。

まずはサイドの面を張りましょう。

Birail ツールを使います。このツールは一本の断面とその断面が移動する両端のレールによって面を張ります。

ツールアイコンをクリックした後、断面、レール1、レール2の順番で選択します。

ねじれた面が張れたときは、ツールバーの「Managers」から「Modeling toolbar」を開き、一番下の「Options」で「Invert rail」についているチェックをはずします。

 

断面線を調整して面の形状を変えることもできます。カーブを選択した後に、スペースキーを押すと「Edit mode」になり、カーブをコントロールできます。カーブの変更が即座に面の形状にアップデートされます。

再びスペースキーを押すと「Edit mode」から抜けて「Object mode」に戻ります。ここで日本語環境ならではの注意ですが、日本語入力モードになっているとスペースキーが効きませんので注意してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

次にフロントからトップ、リアへと流れる面を張りましょう。

Curves network ツールを使います。このツールは「田」の字や「目」の字のように任意の数の縦横の断面で面を張ります。

ツールアイコンをクリックした後、X軸方向の2本の断面を選択して、スペースキーで確定、次にY軸方向の6本を順に選択して、スペースキーで確定すると、図のような面が張れます。

次に底面を張ります。この面は今までに張った2つの面の下側をきれいに切りそろえるために使用します。

Skin ツールを使います。このツールは一連の断面をつなぎあわせて面を張ります。

ツールアイコンをクリックした後、2本の断面を順に選択し、スペースキーで確定します。

 

では、サイド、トップの面の下部を、今張った底面で切りそろえましょう。

Intersect ツールを使用します。このツールは面と面を交差させてそこに相貫線(交わりの線)を作るのに使います。できた線によって面が分割され、不要部分を切り取ってしまうこともできます。

ツールアイコンをクリックした後、サイド面を選択、続いて底面を選択します。

「Store each face as a separate object?(それぞれの面を別のオブジェクトに分割しますか?)」に「N」を答えます。

「Choose which surface will be split」には「1」を答えます。これにより、はじめに選択したサイド面だけが相貫線によって分割されます。面が分割されるためには、相貫線がその面を完全に貫いている必要があります。

同様に、再びツールアイコンをクリックして、トップ面、底面の順に選択し、同じ作業をします。

分割された面を選択するには、Altキー(Windows)を押しながらクリックします。押さないと分割された面であっても全体が選択されます。

図のようにサイド面、トップ面の下部のみを選択し、Deleteキーで削除します。トップ面についてはフロントとリアのふたつの面を削除します。Ctrlキー(Windows、この場合は、Altキー+Ctrlキー)を押しながらクリックすると複数選択できます。

ここでメニューの「Managers」から「Browser」を開きます。すでに開いているかもしれません。ブラウザーはオブジェクトを管理する上で非常に役立ちます。グルーピングやレイヤーわけもここでコントロールできます。

ブラウザーで底面を選択し、一番上に6つ並んだアイコンの左から3番目、「Hidden in interactive views」をクリックします。自動的にとなりの「Hidden in rendering」も選択され、底面はモデリングウィンドウ上、およびレンダリング上で、不可視になりました。

同様にサイド面とトップ面をインターセクトして不要部分を切り取ります。

ツールアイコンをクリックして、サイド面、トップ面を選択します。

「Store each face as a separate object?(それぞれの面を別のオブジェクトに分割しますか?)」に「N」を答えます。これによってインターセクト後のサイド面とトップ面はひとつのオブジェクトとして扱われるようになります。

「Choose which surface will be split」には「B」を答えます。「B」は「Both(両方)」の意味で、これにより、サイド、トップ両方の面が相貫線によって分割されます。

先ほどと同様に、Altキー(Windows)を押しながら不要部分を選択し、Deleteキーで削除します。(トップ面はカーブスネットワーク面なので、もとの面は断面線で5つにわかれています。)

だいぶクルマらしくなってきましたね。perspectiveウィンドウでぐるぐる回して見てみましょう。

ホイールのためのくりぬきを作ります。あとでフレアー面を張るので少し大きめにくりぬきます。

Trimツールを使います。これは線を投影して面を切り抜くためのツールです。みなさんお気づきとは思いますが、solidThinking のツールはアイコンをみればだいたい察しがつきますね。

ツールアイコンをクリックした後、カーブ、サイド面の順で選択すると、図のようにサイド面がくりぬかれます。フロント側、リア側ともに同じ作業をします。